Libra ~揺れる乙女心~
「健太・・・ 私、勝手だよね。ごめんね。まだ選べないんだ。」
川に映る花火。
ゆらゆら揺れる自分の気持ちを見ているようだ。
「いいよ。いつまででも待つから。俺、鈴子が俺を選んでくれるまで諦めない。」
涙が出るくらい嬉しかった。
人生で、告白されたのは初めてで、その告白がこんなにも素敵だったことが嬉しい。
ここまで、愛されるほど・・・私って良い子じゃないよ。
健太にはもったいないよ。
「俺、本当は野球だけに集中したかった。だから、鈴子をあきらめようと思った。でも、好きだと気付いてからは、お前がいないと、野球にも集中できない。俺は、鈴子がそばにいてくれないと、俺らしくいられない。」
健太の手に力が入るたびに、ドキドキが激しくなった。
今度は何をされるんだろう。
また抱きしめられるの?
またキスをされるの?
怖いような
期待してるような気分で・・・
私は、もう一度健太とキスがしたかったんだ。