Libra ~揺れる乙女心~
河原には、もうほとんど人がいなかった。
私達が消えたことを、野球部のみんながどう思っているのか、不安だった。
だけど、そんな不安も健太の笑顔が忘れさせてくれた。
「いいじゃん!!堂々と、付き合おうぜ。練習中はあくまでもマネージャーとして接するし、学校出るまではイチャイチャしないし。」
健太は、想像を遥かに超えた甘えん坊だった。
私の膝枕が気に入ったらしく、膝枕をしながらずっと私の手を握っていた。
一生分の『好き』を全部もらっちゃったんじゃないかと思うくらい、
『好き』・・・って言ってくれた。
まだ、そこまで『好き』と言えない自分がなんだか悪い女に思えた。
でも、健太の甘い言葉が私の少しずつ変えてくれるような気がした。