Libra ~揺れる乙女心~
今日の最後の乗り物は…
観覧車。
俺たちの前に乗った健太と鈴子の観覧車が目に入る。
夜景に感動しながら下ばかり見ている理沙。
もうすぐてっぺん。
健太と鈴子はピッタリくっついて、観覧車が傾きそうだ。
「隆介、見て見て!」
普段はクールな理沙も、この雰囲気に緊張しているのか、わざとらしくはしゃぐ。
下を見る理沙の肩に手を回した。
まだ早いってわかってる。
キスをするほど、俺と理沙は求め合ってもいないし、
分かり合えてもいない。
焦る気持ちを自分でも止めることができなかった。
追いつきたい。
健太と鈴子のような関係になるには…
どうすればいい?
俺の出した答えは 『キス』 だった。