Libra ~揺れる乙女心~
キスの先にあるもの
「なぁ、理沙、お前俺とどうして付き合ってんの?」
俺の声が聞こえていないのかと思うくらい、
理沙は俺の質問に反応しない。
俺が好きなのか、
有名な俺と付き合ってる自分が好きなのか、
どっち?
孤独な心を埋めたいだけなら、俺みたいな男じゃ無理だ。
「聞いてる?」
理沙の肩に手を回したと同時に、勢い良く理沙が俺の胸に飛び込んできた。
「好きだからに決まってんじゃん」
理沙は、俺の胸の中でそう言った。
信じていいんだ、と言う声と
信じるな、と言う声が 俺の心の中で戦っていた。
観覧車が一番高い場所に来たことに気付いた時には
俺は、もうキスをしていた。