Libra ~揺れる乙女心~
別れの決心
「健太、ごめん。好きだけど…傷つけたくないから、一緒にいることはできない。」
こんなにはっきりと言える自信はなかった。
言った後、健太の表情がどんどん悲しみに染まる。
風が強く吹き付けて、私の髪が舞い上がる。
「そっか。…俺じゃだめか。」
無理して笑った健太の表情が、瞼の裏に焼きついた。
悲しい顔。
「ごめん…本当にごめん!健太は何も悪くないよ。私が悪いの。」
もう健太の目を見ることができなかった。