Secret Heart



「陽菜、ちゃん?」




緊張と不安で俯いていたあたしが顔を上げると、目の前にはまるで別人のような先輩がいた。




少し痩せたようにも見える体



顔色が悪くて、目は死んだ魚のように光を宿していなかった。






そしてその奥には


ベッドに横たわって、寝息を立ているサキちゃん。






「どうしてここに…?」




突然の来訪者に、先輩はひどく困惑していた。





『突然ごめんなさい。
けいすけ先輩に、サキちゃんのことを聞きました。

それで…
先輩のことが心配になって。』





どうしよう…



思い立ってここまで来たけど



先輩

迷惑そうにしてる…





やっぱり

2人の問題に、首突っ込んじゃいけなかったのかな…?





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