Secret Heart

『先輩のせいじゃないです。』




そっと体を離して


先輩の手を握る。






『自分を責めないで下さい。
誰も…先輩が悪いなんて思ってませんよ？』





深く傷付いた心の奥深くまで


あたしの声が届くように




「先輩は悪くない」って


言い聞かせるように



優しく語りかける。








『サキちゃんは先輩のこと
責めるような子じゃ、ないと思いますよ。』





「それは俺が一番分かってる。

あいつ優しいから
絶対に弱音吐かないんだよ。

けど俺は
そんな紗季の姿見るのが
辛くてしょうがないんだ…。」





サキちゃんの強がり。



それはきっと

先輩譲りのもの。




似た者同士の２人が今


すごく羨ましく思う…





それだけの時間を


２人で過ごした証拠だから…