Secret Heart
『先輩。』
突然あたしが呼んだのに反応して、先輩は返事をせずに顔だけをこちらに向けた。
『先輩がサキちゃんに罪の意識を持っているなら…
それを償う方法
教えましょうか?』
あたし
先輩を救う方法を思い付いたんです。
でもそれは
あたしにとって
とても辛くて
残酷すぎること…
でもね?
今気付いたこともある。
先輩のことが本当に好きなら…
その人の幸せを
一番に願うべきだってこと。
想いを巡らすなかで、久しく見ていない先輩の笑顔が思い浮かんだ。
自分の幸せは二の次。
だって…
先輩が幸せに笑ってることが
あたしの幸せだから。