Secret Heart
『サキちゃんのことで困ったことがあれば、いつでも相談になります。』
これは何回も言ってきてるから先輩ももう、分かってくれているはず。
でも、念のためにね。
だって
男の先輩には分からないことがきっとたくさんあると思うし
出来ないこともあると思うの。
そんな時は
先輩の相談に乗って
先輩の代わりに
サキちゃんの手助けをしたい。
こんなこと
少し前までは絶対に考えられなかった。
サキちゃんのことが
妬ましかったし
早く別れてしまえばいい、
とか醜い感情ばかりだった。
すごい心境の変化だと思う。
「陽菜ちゃん
…本当に、ありがとう。」
先輩の目には、陽射しに照らされてキラキラと輝く涙が溜まっていた。