Secret Heart
・・・
サキちゃんの乗った車を見送った先輩が、あたしの所に戻って来た。
「お待たせ。
さ、どこ行こっか?」
先輩があたしの目線に合わせて話しかけてくるから、ドキドキしてしまう。
『あの先輩…
やっぱり今日やめませんか?』
「え、なんで?」
先輩は不思議そうに首を傾げている。
『やっぱり
サキちゃんに悪いですよ。
あたしが先輩の彼女なら
ぜったい嫌ですから…』
見つめられることで
全て見透かされそうで
怖い…
せっかく誘ってくれたのに
ちょっと悪いことしたかな?
罪悪感に苛まれながら
先輩から視線を逸らす。
「そっか。それもそうだよな…じゃあとりあえず今日は解散ってことで!」
そうにっこりと笑う先輩の笑顔に、心がズキズキと痛む。
そんなことないよって
気にしないでいいよって
嘘でも言って欲しかった…