Secret Heart
家に帰ってからもあたしは
ずっと上の空だった。
お風呂に入りながら
これからのことを考えた。
先輩のことをこのまま想い続けても、何も変わらない。
先輩の心はサキちゃんに向いたままで、あたしの方を見てくれることはなかった…
『あたしはもう
諦めなくちゃいけないの…?』
湯船に顔を半分沈めながら
1人ぽつりと呟く。
それは今まで、思っても絶対に口には出さなかったこと。
だって
凛ちゃんと“約束”したから。