Secret Heart
いきなり部室から出てきた先輩は、あたしに気づかなかったらしく、やたらと驚いていた。
先輩の驚いた顔もかっこよく見えてしまうあたしは、かなりの先輩依存症…?
『えっと…みなさんまだ中にいるから入りずらくて。』
「えらいんだな。」
え…?
先輩は、なんでそんな風に思うんだろう。
あたしはただ1ヶ月経ってもまだ部員と馴染めないから、外で待っていただけなのに…
困惑気味ので俯いて先輩の言葉の理由を考えるあたしに、先輩はふっと微笑んだ。
ぽふっ
あたしの頭に、いつかと同じ大きくて温かい手が置かれる。
『あ…。』
それに気付いたあたしがびっくりして、勢い良く顔を上げると
そこには先輩の、優しい笑顔。
「陽菜ちゃんは
強い子なんだよな。」
ますます訳が分からないあたしは顔の火照りも忘れて先輩をじっと見た。
『あの
どーゆうことですか?』