Secret Heart
「ん?
だから、陽菜ちゃんは心が強い子なんだよ。」
そう言って微笑む先輩の横顔を見つめる。
優しい笑顔を見ていると、悩みなんてすぐ吹っ飛んじゃうよ。
「あいつらと馴染めないから、部室に入りすらいんだろ?
みんな最初はそうだよ。
3年とか強面だしな。」
確かに…
部長は初めて見た時どう見ても高校生には見えなくて、30才って言われても納得出来る気がした…
そんなことを考えたら笑えて、先輩も
「部長のこと考えてただろ?」
なんて一緒に笑ってる。
こんな会話が出来るなんて、新鮮ですごく楽しい。
「でもそこで3年のマネみたいな人は、めんどくさがって来なくなる。」
楽しい雰囲気とは一変して、突然話しが戻った。
「けど陽菜ちゃんは、逃げ出さないで1人で頑張ってるだろ?
強くなきゃ、そんな簡単に出来ることじゃない。」
あたしに降り注ぐ、暖かくて優しい言葉。
誰にも気づいてもらえなかった小さなあたしの気持ち。
いとも簡単に気づいてしまった先輩は、エスパーなのかな?