Secret Heart
“先輩が好き”
確かに今その気持ちを実感している。
そして同時に、胸の奥の温かい場所から何かが込み上げてくるのを感じた。
抑えきれないほど、風船のように膨らんだ恋心。
その気持ちを先輩に伝えたい…
『先輩。
あたし、先輩のこと…
「陸人ー!!
愛しの紗季ちゃんからメール来てんぞー。」
な!
なんてタイミングの悪い。
またしても、部長の声に邪魔されてしまった。
それはもう
監視してるんじゃないかってくらいのタイミングで。
でも、少しホッとした。
邪魔がはいらなければ、伝えてしまっていたかもしれない。
まだ灯されたばかりの、脆くて不確かな恋の光。
気付いたばかりの自分の気持ちを、伝えてしまっていたかもしれないから…