Secret Heart
「今行くから、勝手なことしないでくださいよ!」
先輩は閉じられた部室のドア越しに、部長に叫んだ。
『先輩…?』
「ちょっと待っててな。
すぐ戻ってくるから。」
そう言って先輩は、慌てて部室に入って行った。
ん?
さっき、なんて言った?
部室から聞こえて来た声は
たしか“サキちゃん”って…
誰だろう…?
今まで聞いた事のない名前
もしかして彼女さん?
いやでも、妹かも…
どっちにしても、女の子には変わりないよね?
先輩に恋をしてまだ
1ヶ月くらいしか経ってない。
それなのにあたし
もう失恋!?
考えれば考えるほど
不安は募るばかり…
真実が見えないから
想像はどんどん悪いほうへと進んでいく。
あたしは
最悪の結末にならないように、と強く願った。