Secret Heart
5月に入ったばかりで、まだ肌寒さが残るこの時間。
あたしは片付けを終えて、先輩を待ち伏せるため足早に校門へ向かった。
するとあたしより先に、門の前に立っている誰かがいる。
気づかれないようにそーっと近づいて見てみるとそれは、最近毎日この時間帯に門の前に立っている女の子だった。
小さな体に小さな顔。
ふんわりウェーブのかかった髪に、陶器のように白い肌、瞳は零れ落ちそうなほど大きく、日本人離れした顔だった。
あれだ、まるでフランス人形!
清楚な感じで、守りたくなるような…
あたしにはないものを、たくさん持ってる
そんな女の子。