Secret Heart
「あんたどんだけ食べるのよ…太るから1個に決めなさい。」
『あたし太んないもんねー。』
と言いながら、模擬店の前で配っている試食に次々と手を伸ばしていく。
凛ちゃんに冷たい瞳で見られてもお構い無し。
「あんたが太んないのは、親の遺伝でしょ?」
そう!
あたしの家族はみんな子供の頃から、大食漢なのにスタイルがいい。
あたしもそれを受け継でいるらしい。
まああたしは
スタイルいいとは言えないんだけどね…
「今いっぱい食べると、10年後にツケがまわってくるって言うよ。」
凛ちゃんがニヤリと笑う。
10年後
その頃あたしは25才。
結婚して、子供産んで…
そんな時期だよね?
そんな、幸せ真っ盛りの時期に太っちゃったらあたし…
『……。』
将来の太った自分を想像したら恐ろしすぎて身震いした。