Secret Heart



「あんたどんだけ食べるのよ…太るから1個に決めなさい。」


『あたし太んないもんねー。』


と言いながら、模擬店の前で配っている試食に次々と手を伸ばしていく。


凛ちゃんに冷たい瞳で見られてもお構い無し。




「あんたが太んないのは、親の遺伝でしょ?」




そう!


あたしの家族はみんな子供の頃から、大食漢なのにスタイルがいい。


あたしもそれを受け継でいるらしい。



まああたしは
スタイルいいとは言えないんだけどね…




「今いっぱい食べると、10年後にツケがまわってくるって言うよ。」



凛ちゃんがニヤリと笑う。





10年後


その頃あたしは25才。



結婚して、子供産んで…
そんな時期だよね?



そんな、幸せ真っ盛りの時期に太っちゃったらあたし…




『……。』



将来の太った自分を想像したら恐ろしすぎて身震いした。





< 4 / 177 >

この作品をシェア

pagetop