Secret Heart
本当にそうなのか分からない。
直感的にそう思っただけ…
それに
先輩が理由もなく、誰かに冷たくするなんてことはないと思うから。
こんな時に限って、頭が冴えてしまう。
出来るなら気付きたくなかったのに…
悲しい事実を知ったというのにあたしは、思ったよりも冷静に物事を考えていた。
きっと、心が冷えきってしまったからなんだと思う。
溶けかけていた胸の奥の氷の棘が、また鋭さを増していく。
『あたし、
ちょっと人待ってて……。』
仲良さげに、見つめ合いながら話す2人の姿を直視することが出来なくて、あたしは俯いた。
「そっか。
じゃあ俺も一緒に待ってよ。」
え…?
「陸人、今日うちん家には来ないの?」
サキちゃんはそう言って、先輩の腕を急かすように引っ張っている。
その言葉であたしは、先輩が毎日サキちゃんと合っているのだと直感した。