Secret Heart
・・・
「そーいえば、いつ言うの?」
『……。』
結局お好み焼きと焼そばを買って、ほくほくとそれを笑顔で頬張るあたしに、突然投げかけられた質問。
幸せな時間からは一変して、あたしの表情は暗くなっていく。
あたしは、その質問の意味を知っている。
だからこそ答えないし
簡単には答えられない…
『ねえ、今度はあっちに行ってみようよ!』
わざとらしく話を反らして、楽しそうに振る舞う。
あたしは気まずい空間から逃げ出したくて、今の2人の間に流れる静けさとは正反対のライブ会場に向かおうとした。
「逃げないで、陽菜。」
凛ちゃんの声があたしの耳に届いたと同時に、腕を強く引かれる。
『凛ちゃん、痛いよ…。』