Secret Heart



―――……




「少しは落ちついた?」



『…うん。』





どれくらい泣いてたんだろう…



凜ちゃんは、あたしの涙がとまるまで優しく背中を撫でてくれていた。



保健室の先生が運良く外出していて、あたしは思いっきり泣くことが出来た。






「それで
陽菜はどうしたいの?」



『え?』




いきなりのそれは、思いもよらない質問だった。




あたしがどうしたいか…


そんなの考えてなかったから。





『どうしたいって…
諦める以外ないよ。

彼女がいるのに想ってたら、先輩だって迷惑だろうし。』



「でも先輩は、陽菜の気持ちをまだ知らないでしょ?」



『…そうだけど。』




図星をつかれて少し口ごもる。




ほんとはただ


先輩を理由にして

これ以上自分が傷つくのが怖かっただけなの……




なんて情けないこと

凛ちゃんには言えない。





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