Secret Heart



―放課後―




ついにやって来た。



いつものように着替えを済ませて、部室の前まで来たはいいものの…




やっぱり先輩に会うのが怖くて足がすくむ。





『やっぱり帰ろうかな…。』




今ならまだみんな部室にいて、あたしが来た事には誰も気づいていない。





あたしはなんて臆病者なんだろう…



もっと、強くないりたい。






『いや。
行くって決めたら行く!
あ~、でもな…。』




決意して部室のドアに手をかけては、また離れるの繰り返し。



こんなんじゃだめなのに…





「1人で何しゃべってん?」



1人もやもやと悩んでいると、あたしに声をかける人物が。





この関西弁は…






『佐野瑛司!!!』






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