Secret Heart
『先輩を好きな気持ちなら
あたしだって、負けないのに。
苦しいよ…。』
あたしは瑛司の胸を借りて、声を押し殺して泣いた。
声を出せば、どんどんと弱音が出てきそうだから
血が滲む程に必死で唇を噛み締めた。
「分かっとる。
でも、それでもお前は
諦められんへんねやろ?」
子供をあやすように
言い聞かせるように…
あたしに話しかける瑛司。
その言葉に静かに頷く。
『そう簡単に諦めれないよ。
…ううん、諦めたくない。』
先輩の心に1%でも、あたしが入れるスペースがあるなら
まだ諦めたくない。
いつか
先輩の瞳に映れるように
いつか
先輩の隣で笑えるように
あたし、頑張りたい。