『契約彼女』
あたしはこの時まだ予想してなかったんだ。

これから聞くことがどんなことなのか。

何も知らずにのん気に

ヤカンを火にかける。

棚の中からお菓子を取り出す。


ピンポーン。

チャイムが鳴った。


「はいはーい。」

開けずに声だけかける。

「開ーけーてー。」

子どもの時のお迎え言葉のように

トウヤが喋る。


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