『契約彼女』
「…、え?」

「お願い、…泣かないで。」

あたしはケイスケの首に腕を絡める。


「ハナ?、どうして泣いているの?」

大きな手が頭を撫でる。

「泣いてるのはケイスケだよ…。」


メガネのまま泣いているから

俯いた先のレンズに雫が溜まっていく。

「大丈夫、夢を見ていただけだよ。」

「響子さんの夢?」

ケイスケが一瞬身を硬くするのが解った。


< 275 / 389 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop