『契約彼女』
やっぱり、響子さんの夢なのね。

まだ、忘れられない?

あたしじゃその隙間を埋められない?

あたしじゃダメなのかな…。


ケイスケの衣類越しに

体温が伝わって来て、彼の匂いに鼻を埋める。

シャンプーとケイスケの匂い。


「どうして?」

「ごめんね、あたし、全部知ってたの。」

「そうか、今日は遅いからもう寝よう…。」

悲しみを隠した声にそっと頷く。

眠りながらあたしは、少し泣いた。


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