『契約彼女』
胸にさほどの痛みもなく。

確かに時間は流れているのだと

感じずにはいられないほどに。


「ねぇ、あのコの何処が良かったの?」

ふいに響子が尋ねる。

「ちょうど良く明るいんだ。

疲れて帰ってもそれを忘れるくらい。」


疲れなんてまるで、

最初からなかったかのように。

些細なことでさえ

笑えるあの空気が。


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