Ekizacamu
バイト先を出ると
俺は直ぐさまタクシーを拾う
「宮部病院まで」
タクシーに乗っている間も
不安で不安でたまらないんだ
“死んで”しまったら?
俺はまだ高校生だ。
愛を養える程の力を持っていない
かといってオヤジになんか
愛を任せたくなんかない。
あんな俺達を捨てた奴なんかもう一生顔なんかあわせたくないと思っている。
「お客さん、着きましたよ」
運転手に金を渡すと俺は走って病院に駆け込んだ。