Ekizacamu
エレベーターに乗り5階を目指す。何故かエレベーターに乗っている時間が凄い長く感じた。堪えられなくてボタンをガチガチと早押しする。
そんな事しても意味がないと分かっているのに...
ピンポーン...
到着音と共に駆け出す。
「母さん!!!」
病室のドアを開け、母親を見る。
俺は唖然とした。
幾つもの機械につながれている母親。息が荒く、医師達は今にもため息がでそうな顔をしている。
「佐々木さん。お母様は今落ち着いた所よ...それと...」
看護師は下を向いた。
「なんですか...?」
嫌な...予感を頭をよぎった
「余命...3週間って所です。言うか言わまいか迷ったんですけど、お母様が『息子には話して下さい』とおっしゃっていたから」
ズドン...と心臓をその言葉が貫いた。
痛い、痛いよ。
「また体調に異変が起きてもおかしくない状況です。覚悟をしておいて下さい」
俺は言葉が出ない。
『覚悟』って何だ?
それは絶対しなくちゃいけないのか?
立ち尽くす。悲しさと共に...