Ekizacamu
俺は母親が好きだ。
マザコンとかそういう風にじゃなくて、人間として。母親として。
そんな母親がいなくなるなんて...
「レイ...よく聞きなさい」
混乱している俺に母親は
問いかけた。
「母さんはね、これから入院するの。思ったより癌が転移していてね。治る見込みがないと医師から言われているのよ。」
俺は頷きながら聞く
「レイは愛の面倒をちゃんと見てね。愛は人の悲しみに敏感な子だから、弱い所を見せちゃダメ。愛にはちょっとまだ言えないから...」
愛というのは妹の名前。
小さいけど素直で優しい子だ
「...分かった」
母親は俺の了解を聞くと
入院の準備をするため荷物を纏めていた。