Ekizacamu



信じられない
最近まで元気だったのに

今思うと運命の歯車は
こっから狂い始めたのかな?



「お兄ちゃん?お母さんは?」

愛が俺に尋ねてきた。
俺は胸が苦しくなった。
こんな小さな子が、母親を失ったらどうなるのだろう。


“これで奇跡が起きてくれれば”


俺は思った。


「母さんは病院に入院するんだ。少ししたら帰ってくるよ」

「え~!嫌だぁ!!」

「少しの間だから、大丈夫だよ」


苦しい嘘だな

俺は愛を宥めて夕食を作る



母親はさっきタクシーで病院に向かって行った。


母親のいない食卓は
すき間風が通るような感覚だった。


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