天然なあたしは悪MANに恋をする
優香さんの視線があたしに向いた

「貴女って、確か…この前も」

優香さんの視界を遮るように、レンが立ち位置を変えた

「これから行けばいいのか?」

「そうねえ。来てちょうだい」

「わかった。準備をしたら…」

「いいえ、すぐに車に乗って」

優香さんが、厳しい口調で口を開く

「…少しくらい待てないのかよ」

「ええ、待てないわ」

レンが「ふう」っと息を吐き出すと、あたしに振り返った

「悪い」

レンが申し訳ない顔をした

「なあに? 蓮耶の彼女?」

「幼馴染だ」

レンが即答する

え? オサナナジミ?

「そう、良かった。蓮耶に恋人がいるなんて困るのよ。蓮耶目当てで来ている子もいるんだから」

「うざっ」

レンは面倒くさそうに言葉を吐き出しながら、赤い車の助手席に乗り込んだ

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