天然なあたしは悪MANに恋をする
「おかしいなあ。太もものほうが良かったかな?」

離れていくレンの背中を見送っているあたしに、満沢さんが質問してきた

「え? ええっとぉ、あたしに聞かれても…」

あたしは苦笑しながら、頭を横に倒した

「それともパンツ?」

「いやぁ…あたしにはちょっと…」

「だって、妃木さんって菅原君の幼馴染なんでしょ? 好みくらい知ってるでしょ?」

「さ、さあ」

「幼馴染じゃないのぉぉ?」

「幼馴染だけど…レンの好みって…聞いたことないから」

「なんで聞かないの? いつも近くにいるんでしょぉ?」

「いつも一緒にいるわけじゃないっていうか…」

満沢さんが、不思議そうな顔をしてあたしを見ている

なんで知らないの?って言わんばかりの表情をされると、あたしの胸の奥がチクンと痛くなった

レンを好きだけど、レンの素顔はよくわからない

レンの本心も、わからない

あたしは下を向いた

「おいっ、ミズ! 先生が来ちまうぞ」

レンが大きな声であたしを呼ぶ

「あ…うん」

あたしはレンの背中に向かって走り出した

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