天然なあたしは悪MANに恋をする
「ミズはあんな真似はすんじゃねえよ」

レンがぼそっと呟いた

「え? あんな真似って?」

あたしはレンの隣で歩きながら、質問した

レンの鼻頭がパッと赤くなると、レンが「ちっ」と舌打ちをした

「…んでもねえよ」

「他人に胸を見せたりってこと?」

「わかってるなら、聞き返すなよ」

「だって、見せる胸がないもん」

レンの視線が、あたしの胸にいく

「あんだろ」

「うーん、満沢さんみたいに大きくないし。誰にも喜ばれないでしょ」

「喜ぶヤツがいるから、言ってんだよ」

あたしは廊下の天井を見つめると、下くちびるを突き出した

「いるかな? いれば、彼氏の一人や二人…できてそうだけど」

「二人もいられたら困るんだよ」

「え?」

あたしはレンの横顔に視線を戻す

レンが怖い顔をしていた

「次の授業、サボる」

レンが不機嫌な声で、言うと自分の教室を通り過ぎていく

「ちょっと、何で?」

あたしは教室の入り口と、レンの背中を見たあと…レンを追い掛けた

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