天然なあたしは悪MANに恋をする
レンががばっと起き上がると、あたしの肩を掴んでキスををした

え? なんで?

あたしはびっくりして、少し後ろに下がった

唇が離れると、レンが寂しそうな顔をして、あたしに近づいた

「嫌か?」

レンの言葉に首を振った

「嫌じゃない…けど」

「『けど』、なに?」

「もしかして満沢さんの胸で興奮してるだけなら、やめたほうがいいよ」

「はああ?」

レンが、眉間に皺を寄せて不機嫌極まりない声をあげた

「え? あれ? 違うの?」

「全然、ち、が、う」

レンが前髪を掻きあげると、一文字一文字に力を入れて答えた

「あんなヤツの胸で興奮できるかよっ」

レンの視線が、またあたしの胸にいく

レンの顔が少し赤くなった

レンの手が伸びると、あたしの首筋を触った

くすぐったくて、身体がぴくっとなった

「れ…レン? どうしたの?」

レンの唇が、あたしの首にキスをした

「ミズが、授業を受けないから…歯止めがきかなくなったんだ」

「な…何、それ」

あたしの声が震えた

「ミズが俺を好きなように、俺がミズを好きだとは思わねえのかよ」

レンの長い指が、あたしの制服のボタンを一つ二つと外していった

え? レンが、あたしを好き?

「嘘っ!」

あたしは大きな声を出した

「なんで嘘をつく必要があるんだよ」

「だって…レンが…」

「俺がなんだよ」

「あたしを好きだなんて、思えないから」

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