天然なあたしは悪MANに恋をする
レンが後頭部をガシガシと掻いてから、ちゅっとキスをした

「好きだよ」

「それって青族から守るため…とか、そういうんじゃなくて?」

「違う」

「立宮先輩が絡んでるとかは?」

「ねえよ」

「何か裏が…」

「ねえっつってんだろっ!」

レンが怒鳴ると、「はあ」とため息をついた

レンは膝を抱えて座ると、背中を丸めた

「ヤる気が失せた」

「ヤる気?」

「気にすんな」

レンは手をひらひらと振った

「レン、あたしね。レンが好きだよ」

「知ってるよ」

「でもあたしは知らなかった。レンの気持ち……本当なの?」

「ああ」

「じゃあ、あたしはレンのこと諦めなくていいんだ」

「まあな」

「えへへ」

あたしは勝手に顔が緩むのを感じながら、レンの腕に絡みついた

「んだよ。襲われたいのかよ」

「もうヤる気が失せたって言ってたのに?」

「意味がわかってんのに、聞きかえしてんじゃねえよ。ヤる気なんてもんはなあ…すぐに復活すんだよ」

レンが、頬を赤くしながらぶっきらぼうに答えた

< 122 / 129 >

この作品をシェア

pagetop