天然なあたしは悪MANに恋をする
あたしはベッドから出ると、窓の外を見た

レンはもう部屋に戻ってしまったのかな?

きっとあたしを運んで、そのまま自分の部屋に戻ったんだろうなあ

あたしは時計を確認すると、部屋を出て、一階に降りた

夜中の出来事がまるで夢みたい

この家に、レンが来て、シャワーを浴びて…

レンの胸の中であたしが大泣きした

初めて肩を抱かれたね

最初で最後の……レンの温もりだったのかな?

あたしはソファで肩をぐっと抱かれたのを思い出すと、レンに触られた肩が温かく熱を持つのを感じた

足を止めると、居間のドアを見つめた

静かな家

ここにレンが居たなんて、嘘みたいだね

あたしは麦茶を飲もうとキッチン側のドアを開けるなり、目を大きく見開いた

ソファに座って、腕を組んでいるレンがいた

え? なんで?

どうしてここにいるの?

ドアの開く音で目が覚めたのか

レンの頭が動いて、持ち上がった

「ミズ、今何時だ?」

「あ…6時半だよ」

「そうか。7時になったら起こして」

「え? あ、うん」

あたしは麦茶を飲むと、居間を出た

疑問符が頭にいくつも出ては消えていく

どうしてここにいるの?

なんでまだ帰ってないの?

なぜ居間で寝ていたの?

答えの出ない疑問が、浮かんではあたしの心の中で未消化のまま、通り過ぎていった
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