天然なあたしは悪MANに恋をする
え? なんで?

あたしは2階にあがる階段を上っていくレンの後ろ姿を見つめた

どうして、そんなことを言うの?

いくら幼馴染で、慣れ親しんだ人の家に泊まったって言っても…あたし、一応女だよ?

誤解されちゃうでしょ?

レンには恋人がいるのに…

「え? ええっ? ミズちゃん、そうなの? お兄ちゃん、昨日、ミズちゃんとエッチしたの?」

「してませんよっ」

あたしはびっくりして、返答する声が引っくり返った

「それに…ほら、レンってバイト中に怪我してきたみたいで…」

「ああ、そういえば顔が腫れてたわね。ミズちゃんを襲って殴られたのかと思ったわ」

「そ…そんなことしませんよ」

「そうよねえ~。二人とも相思相愛だもの」

「いや…それはぁ、違うかと…」

あたしは首を捻った

だってレンには恋人がいるんだもん

すっごく綺麗で大人びてて、格好良い女性だった

「夜中に家でガサゴソと動き回って、家族のみんなを起こして心配させたくないって言ってました」

「だからって、ミズちゃんを叩き起こすことないじゃない」

「あ…たまたま起きてましたから。たぶん、それで…来たのかと」

「ミズちゃん、いいのよ? 言い訳なんてしなくてもぉ。二人の仲を隠したりしなくていいんだから。私は二人の交際に賛成よっ」

「いや…あたしはオッケーでもレンが…」

そう…だよ

あたしはレンを諦めるって決めたんだから

いくら近くにいても、レンはあたしを見ることはないんだもん

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