天然なあたしは悪MANに恋をする
あたしの額にも熱がこもる

「明日、ピアス…あけるか。瑞那に似合いそうなピアスを探してさ」

「い、痛くないですか?」

「一瞬だけだよ。バチンって、穴あけパンチで、穴を開ける感じ?」

「先輩が開けてくれるんですか?」

「まあな」

「あまり痛くしないでください」

先輩が目じりを下げると、「ぷっ」と噴き出して笑い声をあげた

「え? 何か変なことを言いましたか?」

「いや、エロい表現だなって思ってさ。この状況で、言われると…な」

あ…

あたしの顔が真っ赤になった

だって、身体に穴をあけるんだって思ったら、痛そうだなって考えて

痛いのは苦手だから、できれば痛くないほうがいいって思って……

「大丈夫だよ…って、あんま大丈夫じゃねえけど。まあ、大丈夫だ」

「えっと、あの…その」

「付き合ったその日にって…あんま好きじゃねえし。なんか遊んでるみたいじゃん。くっついていたいけど、その先はまだ…って俺は思ってる」

「あ…うん」

にこっと先輩が微笑むと、ぎゅうっと抱きついてきた

「明日も泊まりに来いよ。明後日も、さ。ずっとここにいろって」

「ありがと。でも帰らないと…おばさんが心配するから」

「おばさん?」

「ん。レンのお母さん。ご飯とか作ってくれるの。だから…その…」

あたしは目を伏せた

なんと説明していいかわからない

「わーったよ。んじゃ、俺が瑞那んとこに行く」

「え?」

「一人暮らしなんだろ?」

「あ、うん」

どうして知ってるんだろう?

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