天然なあたしは悪MANに恋をする
「レン、戻ったほうがいいよ。ちゃんと説明したら……」

「馬鹿か? 言ってどうなる?」

あたしの肩を掴んでるレンの手の指に力が入るのがわかった

「だってあたしがちゃんと日直の仕事をしなかったから、レンが怒っただけで…レンが悪いわけじゃないんだよ?」

「…珍しくわかってんじゃん」

レンがニヤッと白い歯を見せて笑ってくれた

「レンが行かないなら、あたしが行ってくる」

レンの腕の中から出ると、あたしは教室に戻ろうと身体を回転させた、が足を前に出す前に、レンに手首を掴まれた

「行くな」

「レン?」

「行ったら…戻れなくなるぞ」

レンがぎゅっと強くあたしの手首を握ってきた

「行かなくていい」

どうしたの?

どうしてそんなことを言うの?

嬉しいって思っていいの?

あたし、これじゃあ…また諦めることができなくなる

レンがやっぱり好きって思っちゃうよ?

いいの? ねえ、好きって思っていいの?

「…わかった」

あたしはレンのほうを向くと、レンの隣に並んだ

「日誌、図書室で書こう」

「教室に戻れないから?」

「ああ。あと少しで書き終わる。そしたら、一緒に帰ろう」

「え?」

「なに?」

「あ…だって」

一緒に帰るのを嫌がってたのに、どうして今日はいいの?
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