天然なあたしは悪MANに恋をする
嬉しい、すごく幸せ

あたしはレンから貰ったピアスを手の中に入れると、胸の前でぎゅっと握りしめた

レンから何かを貰うなんて、初めてかもしれない

しかもバイト代を前借して、買ってくれたなんて、すごく嬉しいよ

あたしは手の中から出すと、手鏡をだして、さっそくピアスを交換した

「これって本物の石?」

「…なわけねーだろ。ただのガラス玉だよ」

「キラキラしているから、本物のダイヤかと思った」

「俺のバイト代じゃ、ちっせーのしか買えねえよ」

「そうだ! レンのバイトって?」

あたしはピアスをつけかえてから、ベッドに座っているレンを見た

レンはすでにTシャツとジャージのハーフパンツを着ており、タオルで髪の水分を拭き取っていた

「あ?」

レンはタオルの間から顔を出して、あたしの目を見た

「だから、レンのバイト」

「ただのバイトだけど?」

「どんな仕事をしてるの?」

「別に普通のバイトだよ。働いて、月末に金を貰ってる」

「だぁかぁらぁ…」

あたしは机に置いてある手鏡をしまうと、回転椅子をくるっと回してレンのほうに身体を向けた

「言わねえよ」

「どうして?」

「言わねえから」

「なんで?」

「言いたくねえ」

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