天然なあたしは悪MANに恋をする
携帯の目覚まし機能で、あたしは目を覚ました

レンも寝がえりを打つと、片目を開けて、擦れた声で「今何時?」と聞いてきた

「6時だよ」

「ミズは早起きだなあ」

「レンは7時だったよね? 起こすから、寝てていいよ」

「サンキュ」

レンは枕に顔を埋めると、また深い眠りに落ちていった

あたしは制服に着替えて、長い黒髪でおだんごを作った

鏡にうつるあたしの耳にはレンから貰ったピアスがついている

そのピアスを外すと、あたしは立宮先輩から貰ったエメラルドのピアスにかえる

洗顔をして、軽く化粧水をつけると、あたしは玄関に置いてある学生鞄を掴んだ

レンから貰ったピアスを、お財布の小銭入れの中に入れると、あたしはお財布を抱きしめた

2階を見上げる

レン、ごめんね

あたし、立宮先輩のところに行く

レンを苦しめたくない

小学校、中学校って学校の人気者だったレンが、高校で学校中から苛めにあうなんてあたしには考えられないの

あたしが苛められるなら、想像できる

でもレンにはそんな辛い想いをしてほしくないから

ごめんね

あたしは、行くよ

舌で唇を濡らしたあたしは、鞄にお財布を入れた

革靴に足を入れ、静かに家を出た

家の門を出て、家を見つめる

レンが起きた気配がないのを確認してから、あたしは駅に向かって走り出した

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