天然なあたしは悪MANに恋をする
「泣くほど…怖いか?」

レンが寂しそうな顔をする

あたしは首を横に一生懸命振るが、レンには伝わってないみたいだ

「ごめんな。ミズから離れるのが一番なんだろうけど、俺が離れたくねえんだ」

レンがあたしの頬を長い指先で触れた

零れ落ちる涙を、指先で拭ってくれると、レンは濡れた指をじっと見つめた

「抱きしめてもいいか?」

レンがあたしに両手を見せてくれる

「俺の手だ。大丈夫、ミズの嫌がることはしない」

あたしは頷くと、あたしからレンに抱きついた

レンの胸に顔をつけたあたしは、声をあげて泣いた

レンの温かい手があたしの背中をそっと撫でてくれた

どうして、レンはこんなに優しいの?

あたしがいけないのに…自業自得なんだよ?

青族の人たちに襲われたのは、あたしがレンじゃなくて立宮先輩を選んだから…なのに、どうしてレンはこんなあたしを優しく抱きしめてくれるの?

「ミズ、好きだ。離したくない」

え?

あたしはレンの胸の中で、レンの言葉に驚いた

「俺の傍にいろ。ずっと、俺の…」

「うん」

あたしはレンの中で頷くと、もっと強く抱きついた

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