天然なあたしは悪MANに恋をする
「ミズ、嫌なら言ってくれ。俺、ミズの嫌がることはしたくない」

レンは優しく耳元で囁きながら、あたしの体中のあちこちにキスを雨を降らしてくれる

手をぎゅっと握りしめあったまま、居間の床に倒れこんだ

「なーによぉ。お兄ちゃんったら、ミズちゃんとそういう関係なんじゃないのぉ」

がちゃっと居間のドアが開くと、レンのお母さんの声が聞こえた

レンががばっと起き上がって、あたしから離れると床に脱ぎ捨てたブレザーをあたしの身体の上に放った

「な…んで、ここにいんだよっ」

レンが不機嫌な声をあげると、おばさんの前に立つ

あたしは起き上がると、レンに外されたワイシャツのボタンを、レンのブレザーの下でもそもそとつけた

「二人とも、ご飯を食べに来ないからじゃない。お兄ちゃんの部屋を見に行ったら、全然戻ってきてる気配がないし。こりゃ、いちゃついてて、時間を忘れてるなあって思うでしょ」

「思うなよ!…てか、思っても覗きに来るなよ」

「だって、野獣にミズちゃんが襲われているかと思うと、なんか不憫で」

「自分の息子を野獣呼ばわりかよっ」

「だってお兄ちゃん、お父さんの子だし」

「なんだ、そりゃ…」

「もう…お母さんに何を言わせるのよ」

おばさんがレンの肩をバシッと叩いた

「いってーな!」

レンが怒るが、おばさんはにこっと笑うだけで、全然動じていなかった

「ミズちゃん、大丈夫? 野獣の好きにさせなくていいのよ」

「あ…いや、その…」

あたしは顔を真っ赤にして、下を向いた

「まあ…お兄ちゃん! ミズちゃんに何をしたの」

「何もしてねえよ」

レンが不機嫌に吐き捨てると、腕を組んでため息をついた

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