天然なあたしは悪MANに恋をする
「今朝の出来事だろ。思い出すのも無理はない。大丈夫。俺がついている」

レンの優しい声かけにあたしの涙がさらに溢れた

どうしてレンはこんなに優しいのだろう

余計、涙が止まらないよ

あたしはレンの胸に顔を埋めると、身体の水分が枯れて無くなってしまうのではないかというくらい、泣き続けた

その間中、レンはずっとあたしは抱きしめてれくれた

「ごめん…」

「ミズは謝り過ぎる」

「え?」

「謝らなくていい。俺は怒ってない。むしろ喜んでいる。ミズが俺に頼ってくれてるのが、たまらく嬉しい」

レンの指が、あたしの黒い髪を弄って遊んでいる

「でも…迷惑じゃ…」

「ミズは他人の顔色を覗いすぎる。俺はミズに頼ってもらえて、どこか安心している。やっと俺の出番がきたって感じがして…。だから迷惑じゃない」

「レン…でも」

「ミズ、それ以上言うな。お前が気にしているほど、俺は深く考えてない。今のこの状況は、俺にとったら幸せなんだ」

レンがぎゅうっとあたしの肩を強く抱き寄せた

「ミズ、家に帰るか。ここにいても…二人でいるなら、家に居たほうが安らぐだろ?」

「え? あ…うん」

レンがあたしから離れると、にこっと微笑んだ

「すぐに荷物を持ってくるから、ここで待ってろ」

レンは立ち上がると、3階に駆けのぼっていった

「レンってミズちゃんには優しいんだね」

上からする声にあたしは顔をあげた

「片岡先生?」

「泣いて飛び出すから、レンがすごい形相で部屋を出て行ったんだ。近くにいた赤族のメンバーに、『お前ら何をした?』なんて怒鳴ったりしてさ。もう、レンらしくないよ」

片岡先生がくすくすと笑う

「そ…そうなんですか?」

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