君に溺死
僕は信じてた。きっとこの想いは届くんだと。そしてきっと想い続ければこの想いは叶うんだと。
初めて恋をした僕は知らなかったんだ。人のキモチの重さに。
僕のこの想いも。そんなに軽いモノじゃないと知っていたのにね。
「はー…、まじムカつく。」
結局あの後、僕達の間には気まずい空気が流れて。その場で解散となった。…ムカつく事に、めーちゃんは藤咲と二人で帰って行った。
焼き付いて離れない、めーちゃんの笑顔。蕩ける様な、恋をしている瞳。僕と同じ、だ。
「…イタズラなんて死んでしまえ、」
藤咲率いる「イタズラ」の愚痴を零しながら、溜息を吐いた。染めているにしては柔らかい、ストレートの地毛をグシャリ、と掴みながら。消えてしまいたくなる。
独りの淋しさを知って。君の温もりを知った僕には。もう、ソレに耐えられそうにないよ。