君に溺死
僕はクシャクシャ、とめーちゃんの髪を撫でて。触れた指先から、僕の想いが少しでも伝わるとイイ、と思った。
「…じゃあ、僕は聞かない。聞かないから、僕の番号とアドレス、めーちゃんの携帯に入れて?」
「…え?」
愛しい
愛しい
愛しいよ、めーちゃん。
「僕はめーちゃんが呼んでくれるなら、ヒーローになるよ。」
何もいらないから。何も求めないから。ただ、それだけは許して欲しい。僕はめーちゃんが手を伸ばす先で待ってるから。
そんな事を言った僕に、めーちゃんは「金髪のヒーローなの?」と笑ってくれた。良かった。
「…ありがとう、ハルカさん。」
今日最後に見た君は、一番の笑顔で。僕の名前を心に響かせてくれた。お礼を言いたいのはこっちの方だよ。君に出逢えて良かった。
僕の視界はこんなにも今、鮮やかに染まっている。