『密室殺人』
「えぇと……単三乾電池、だったわね?あったかしら……」
洋子はそう言って、自分の部屋を振り返る。
「あの……なければ、いいんです。もし、あったらいいなぁって思っただけなんです」
弥生が申し訳なさそうに、消え入りそうな声を出した。
「でも、必要なんでしょう?単三乾電池」
「大丈夫です。買いに行きます。お金も持ってます」
洋子の問い掛けに、弥生は自分のポケットを探りながら答えた。
ぽとりと、弥生のポケットからハンカチが落ちた。
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