『密室殺人』
 

洋子は話し続ける男の顔を見た。


男と洋子の視線がぶつかり、洋子は慌てて視線を外した。


洋子を不安が包んでいく。


「パパーー!!もうお部屋に行こうよー」


弥生がつまらなそうに、男の袖口を掴んで揺らした。


「ああ、じゃあそろそろ帰ろうか」


男が優しく弥生の頭を撫でた。


その時、


弥生の足元に、しゃちほこのキーホルダー付きのカギが落ちた。


「あっ!落ちちゃった」


弥生が慌てて、カギを拾う。


様子を見ていた洋子の視線に気付いた弥生は、照れ笑いをして、カギを拾う。

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