『密室殺人』のレビュー一覧
このレビューを読む前に、是非本作の表紙を読んで頂きたい。 このお話を、何の予備知識も無しに本編から読んだとする。 「校正の行き届いた、きっちりした話だな」 「正義の為にとはいえ、殺人で解決するのはどうか」 「虐待されなくなって良かった良かった」 印象は様々だろうが、概ね好評価寄りの印象をただ漫然と持つだろう。 しかし様々な『イジメ』とも取れる(笑)キーワードを元にした話だと聞くと驚愕する。 それぞれの言葉、或いは文章の消化具合に感嘆する。 多分永花さんは、どんな『お題』も恙無く作品に取り込んでしまう『消化酵素』を持っているに違いない。 俺も欲しい(泣)
表題の通り、あるキーワードを元に書かれたこの作品。 とてもそんな縛りで書いたとは思えない出来映えでした。 思わず帽子を脱いでしまいました。
事件は、もう、始まっているのだよ。 …… 何も変わらない日常。 大きなテレビの音をたれ流しながら 少女を虐待する父親。 それを、見てみぬフリをする隣近所の住人たち。 事件は、密やかに。 そしていつの間にか始まっているのだ。 事件は、事なかれ主義で終わらそうとする人々を断罪するように集結を迎える…… この物語が本当にすごいところは。 ミステリーとしても秀逸であること以上に。 決められたキーワードを違和感なく使って、話を作っているところです。 謎解き、としては多少もの足りないかもしれませんが。 物語にある緊張感は、それを補ってあまりあります。 いや、本っ当に、上手い!! そして、面白い!! こいつは僕が太鼓判を押して、オススメします。 皆さん。 是非とも、読んでみて下さい。
夜な夜な聞こえるのは少女の泣く声と、男の怒鳴り声、そして皿の割れる音、男が暴れる音、テレビの音 その日もいつもと同じだった いつも通り、同じアパートの住人はその音に不安を抱きながら夜を過ごすはずだった−… その夜、少女が家にやってくるまでは… 与えられたまとまりのないキーワードをちりばめた、だけどどれも違和感なく、トリックを引き立てています 緊迫感 そして不安をかんじさせる文章力とストーリーでした 是非ご一読ください。 そして終始感じる緊張感を体感してください。