約束
 でも彼女は部活動には興味をしめすことはなかった。やりたいことがあるらしく、高校では部活に入らないと決めているらしい。

「でも、どうせなら、途中まで一緒に行こうか」

 私は友人の言葉に笑顔でうなずく。

 男子から告白されて、すぐに断る彼女は、正直恋愛に興味がないのだと思っていた。

 でも、そんな彼女を夢中にさせているのは野木君という人で、過去だと強調していたけど、今でも好きみたいだった。どんな人なんだろうという興味はあったのだ。でも、積極的にその正体を確かめるのは晴実に対して遠慮していた。

 ちょうど階段を下りて、二階に行ったところで別れた。私はこの道をまっぐいき、彼女はこのまま階段を下り、靴箱まで行く。

 図書館の中には人がまばらにいた。木原君の姿はまだ見当たらず、適当な席を探し、腰を下ろしたときだった。

「雅哉と一緒に暮らしているって本当?」
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